「自宅周辺のハザードマップを見たことがありますか?」と尋ねたところ、ハザードマップを「見たことがあり内容を覚えている」(48.0%)と答えた人が最も多い一方で、見たことはあるが内容を忘れた」(40.2%)、「見たことがない」(11.8%)という人が合わせて52.0%となり、半数以上が自宅周辺のハザードマップの内容を把握していないことが分かりました。(図1)
また、自宅周辺のハザードマップを見たことがないと回答した145名にその理由について尋ねたところ、「どこで見られるのかが分からない」という回答が最多で3割以上となりました。(図2)
「災害でライフラインが停止した場合でも、できる限り在宅避難を優先したいと思いますか?」という質問に、「とてもそう思う」と回答した人は5割以上となり、「そう思う」(38.8%)と回答した人と合わせると、9割以上の人が在宅避難を優先したいと思っていることが分かりました。(図3)
※1:災害時において自宅に倒壊や焼損、浸水、流出の危険性がない場合に、そのまま自宅で生活を送る方法
「ライフラインが停止した場合に備え、家族全員分の飲食料や生活必需品を何日分備蓄していますか?」と尋ねたところ、在宅避難を優先したい人でも、「1日分~2日分」(32.0%)と答えた人が最も多く、「備蓄をしていない」という人も約2割にのぼりました。さらに、全体の96.7%の家庭が、備蓄品の準備が1週間分未満であることが判明しました。(図4)
「自然災害に備え、避難する場所や避難経路を家族全員が把握していますか?」と尋ねたところ、「はい」と答えた人は3割以上で、「いいえ」と答えた人が4割以上にのぼりました。(図5)
現在、小学生以下の子どもと同居している555名に「大人がいないときに自宅で災害が起こった場合に備え、子どもにどんな対策を伝えていますか?」と尋ねたところ、「頭を守る姿勢をとる」という回答が最多で3割以上でした。一方、「特に伝えていない」という人も約2割いることが分かりました。(図6)
「5年以内に自分自身が大きな地震に遭う可能性があると思いますか?」という質問に「とてもそう思う」(23.7%)「そう思う」(47.7%)と回答した人を合わせると7割以上の人が地震を身近に感じていることがわかりました。(図7)
「現在の自宅は、大きな地震が起きても安心できる耐震性を備えていると思いますか?」と尋ねたところ、築31年以上の家に住んでいる人の8割以上が「そう思わない」(45.0%)または「あまりそう思わない」(36.8%)と回答しており、耐震性に不安を感じていることが分かりました。また、築5年以下であっても、「そう思わない」(13.2%)もしくは「あまりそう思わない」(32.0%)と考えている人が4割以上にのぼりました。(図8)
「現在の自宅は、大きな地震が起きた場合、耐震性に不安がある」と回答した772名に、「耐震性に不安を感じる理由」を尋ねたところ、「どれだけ耐震性があるのか把握できていない」という回答が突出して多く、7割以上にのぼりました。(図9)
「2024年に発生した国内外での大きな地震を受けて、防災に対する意識は変わりましたか?」と尋ねたところ、「とても変わった」(18.2%)、「変わった」(48.6%)という人を合わせると6割以上の人が防災に対する意識に変化があったことが分かりました。(図10)
また、防災に対する意識が変わったと回答した821名に「今年新たに強化した対策」について尋ねたところ、「食料・飲料など生活必需品の備蓄」という回答が最多で5割以上となりました。(図11)
続いて「水害について、身近で発生するリスクがどのくらいあると感じていますか?」と尋ねたところ、「とてもあると感じる」(16.5%)、「あると感じる」(34.9%)と回答した人を合わせると、半数以上の人が水害のリスクを身近に感じていることが分かりました。(図12)
また、「あまり感じない」「感じない」と回答した597名に、水害のリスクを身近に感じない理由を尋ねたところ、「海や川が近くにないから」と回答した人が最多で5割以上、「ハザードマップで安全なところに住んでいるから」も4割以上となりました。(図13)
「お住まいの地域で線状降水帯が発生すると予報された場合、危機感を感じて何らかの対策を取りますか?」と尋ねたところ、危機感を感じる人が約8割にのぼる一方で、「危機感を感じるが対策はしない」という人が4割以上いることが分かりました。(図14)
調査手法:オンラインアンケート
調査期間:2024年7月6日(土)~2024年7月15日(月)
調査対象:全国の男女
有効回答数:1228サンプル
回答者:男性561名、女性667名
10代以下1名、20代116名、30代454名、40代295名、50代214名、60代136名、70代以上12名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100にならない場合があります。
今回の調査では、5年以内に自分自身が大きな地震に遭う可能性や、水害のリスクを身近に感じている人が多くいることが明らかになりました。災害時には9割以上の人が、ライフラインが停止してもできる限り在宅避難を優先したい人が多い一方で、自宅がどれだけ耐震性があるのか把握できていないことを不安に感じている人がいることも分かりました。
一条工務店では、震災や水災など、襲いくる自然災害の脅威にただ耐えるだけでなく、その後も“災害を免れたかのように暮らせる”「総合免災住宅」をご提供しています。
倒壊を免れても、巨大地震の力により損傷を受けると、それが災害後の生活復旧の遅れや大きな経済的負担に繋がる可能性があります。一条の住まいは、建築基準法の2倍の強さを実現。「建物が倒れないこと」だけに満足せず、構造躯体はもちろん室内の仕上げ材にいたるまで、損傷をいかに小さくするかを追求しました。
家全体を強くするためには、より緻密な構造計算が必要となります。そのため、一条の「2倍耐震」では「許容応力度計算」という高度な計算を一邸一邸行っています。また、数々の実大実験で得られたデータや情報をもとに、強度のある内壁と外壁をバランス良く配置することで、建築基準法の2倍の強さを実現しました。
住宅には、水害に遭う恐れのある箇所が複数存在します。一条は、これらを「浸水」「逆流」「水没」「浮力」の4つに分類。一条の技術力を活かし、対策を施しました。床下や玄関ドア、窓などの隙間を徹底的になくし、浸水を防ぎます。また、排水管からの逆流は防止弁で遮断し、室外機やエコキュートなどの屋外設備は、高い位置に設置することで水没を免れます。さらに、浮力対策として、水をあえて床下から入れて重りにすることで浮上を防ぐ「スタンダードタイプ」及び、浮力に逆らわずに安全に建物を水に浮かせ「係留装置」で元の位置を維持する「浮上タイプ」の2つの仕様を開発しました。※3
※2:自社調べ(2020年8月)
※3:安全に避難ができる場合は、各自治体の指示に従って避難してください。
一般的な窓ガラスの場合、飛来物などが当たり割れてしまい、室内に危険が及ぶ恐れがあります。一条の「強化ガラス」は、一般的なガラスの7倍の強度を有し、猛烈な台風にも強さを発揮しました。
一条の住宅は、建築基準法で定められている30分防火性能を標準仕様で備えています。「高防火外壁」はさらに火災に強く、60分以上屋外からの火災に耐えることができます。
断熱性・気密性の低い建物は、窓や外壁から夏の熱気や冬の冷気の影響を受けやすく、建物の隙間から外気が侵入してしまいます。一条の住まいは、高性能な窓と断熱材などで、快適な室内の環境を維持し続けます。
何年経っても、災害への強さを維持し続けられる、強い家であるように。一条は、適材適所に綿密な防腐防蟻処理を施し、建物の耐久性、耐震性を長期にわたり保ちます。
一条の「電力革命」は、大容量かつ高出力の太陽光パネルで創った電気を、長寿命蓄電池※4に充電します。これによって、停電時もほぼ普段通り※5の生活を送ることができます。
※4:蓄電池自体の期待寿命。蓄電システム自体の寿命を示すものではありません。
※5:季節、天候、電化製品機種、使用状況によって異なります。
「エコキュート」は、万が一水の供給が止まってしまった際には、タンク内の湯水を生活用水として使用することが可能です。4人家族で約6日分の生活用水を確保することができます。
※6:「エコキュート」の水は、飲用には適していません。
監修者のコメント
災害には備えて、
行動することが重要
大きな地震などがあると、防災に対する意識は一瞬高まりますが、継続する事は難しく、防災用品などを買うことだけで満足する傾向が強いです。実際にライフラインを切って、食事を摂る練習をしたり、一日に3リットルの水だけで生活をしたりするなど、スキルの備蓄まで行動につなげてもらいたいと思います。
また、近年ではハザードマップだけではなく、防災アプリなども非常に発達していますので、様々な方法で自分がどんな被災をする可能性があるのか、被災したらどんな生活になるのかを具体的に情報収集をするなどして、もう少し視野を広げて考えるきっかけづくりが必要ではないでしょうか。
今回のアンケート結果から分かるように、災害が起きることに対して不安を感じているのに、それを具体的に確認したり、不安を払拭するための準備もなんとなくしかできていない、というのは問題です。たとえ命が助かっても、そこからはかなりの長期戦になります。生き延びたのであれば、その後も生き抜いていくために、復興していくことが必要です。
撮影/林紘輝(扶桑社)
辻 直美さん
国際災害レスキューナース/
一般社団法人育母塾代表理事
看護師歴33年、災害レスキューナースとして29年活躍し、被災地派遣は国内外30ヶ所以上。被災地での過酷な経験をもとに、現在はフリーランスの看護師として、要請があれば被災地で活動を行っているほか、企業の防災コンサルタントも担当。著書に『プチプラで「地震に強い部屋づくり」』(扶桑社)など。最新刊は『地震・台風時に動けるガイド-大事な人を護る災害対策』(発行:メディカル・ケア・サービス、発売:Gakken)