「現在、あなたは地球温暖化や気候変動問題について関心がありますか?」という設問に答えてもらったところ、「とてもある」と回答した人は4割近くで、「ややある」と回答した人と合わせると、約9割の人が地球温暖化や気候変動問題に関心があることが分かりました(図1)。
続いて、「普段の生活の中で、地球温暖化や気候変動問題の影響を身近に感じることはありますか?」と尋ねたところ、「よくある」と回答した人が3割以上で、「たまにある」と答えた人と合わせ約9割が影響を感じていました(図2)。さらに、「よくある」または「たまにある」と答えた663人に、「地球温暖化や気候変動問題の影響を感じるのは、どんなときですか?」と質問すると、1位は「猛暑日が多いとき」で7割以上が回答しており、2位は「台風・豪雨災害が発生したとき」でした(図3)。
「地球温暖化や気候変動問題の対策について普段意識して生活していますか?」という設問には、「時々意識している」と回答した割合が最も高く、「いつも意識している」と答えた人と合わせると、7割以上となりました(図4)。
また「地球温暖化や気候変動問題の対策として、生活の中でどんな工夫をしていますか?」と尋ねたところ、6割以上の人が「節電」や「マイバッグの持参」をしていることが分かりました。また、4割以上が「食品ロスの削減」「節水」「マイボトルの持参」といった工夫を生活に取り入れていました(図5)。
※選択肢:節電/節水/省エネ家電の導入/クールビズ・ウォームビズ/公共交通機関での移動/徒歩や自転車での移動/食品ロスの削減/衣類をできるだけ長く着る/ごみを減らす/環境に配慮した企業の商品購入/フリマ・シェアサービスを使用/マイボトルの持参/マイバッグの持参/ESG投資/植林やごみ拾いなどのボランティア/太陽光パネルの設置/再エネ電気への切り替え/省エネリフォーム工事/電気自動車や低燃費車への乗り換え/その他/特にない
続いて、「プラスチック削減施策や再生可能エネルギーの拡大など、環境問題対策によって、生活が不便になっていると感じることがありますか?」との設問に、「よく感じる」または「時々感じる」と回答した人の割合は、約半数でした(図6)。
さらに、「よく感じる」「時々感じる」と答えた369人に、「環境問題対策のためには、多少の生活の不便は仕方ないと思いますか?」と質問したところ、「ややそう思う」が6割超で「とてもそう思う」と答えた人と合わせると、8割以上の人が多少の不便を許容していることが分かりました(図7)。
「機能やデザイン、価格がほぼ同じ2つの商品があった場合、 環境問題に配慮した方の商品を選びたいと思いますか?」と尋ねたところ、「とてもそう思う」と答えた人が5割超で最も多く、「ややそう思う」と回答した人と合わせると、9割以上の人が環境に配慮した商品を選びたいと考えていることが分かりました(図8)。
「現在、電気代の高騰が家計を圧迫していると感じますか?」という設問に、6割以上が「とても感じる」と回答。「やや感じる」と合わせると、9割以上の人が家計の圧迫を感じていることが分かりました(図9)。
さらに、「電気代が高すぎるために冷暖房を我慢する等、快適さを犠牲にすることがありますか?」と質問したところ、「よくある」と答えた人が約3割、「時々ある」と答えた人は約5割で、約8割の人が電気代を気にして快適さを犠牲にしていると感じていることが分かりました(図10)。
「今後、新たに家を購入する場合、省エネ住宅※を選びたいと思いますか?」と質問したところ、8割近くが「とてもそう思う」と回答しており、「ややそう思う」を含めるとほとんどの人が省エネ住宅を選びたいと考えていました。また、年代別で見ると、「とてもそう思う」と回答した割合は、特に20代と30代で8割を超え、他の世代よりも高くなりました(図11)。
※家庭の消費エネルギーを抑えるための設備の設置や施工を行った住宅
省エネ住宅を選びたいかどうかの質問に、「とてもそう思う」「ややそう思う」と回答した731人に図12の4つの項目がそれぞれどの程度、省エネ住宅を選びたい理由として当てはまるか答えてもらったところ、「とてもそう思う」と「ややそう思う」を合わせた割合が最も多かったのは「昨今、光熱費が高くなったから」で、9割以上の人が回答。また、「夏は暑く冬は寒いなど、住環境の面で今の家が快適に過ごせないから」についても、9割以上にのぼりました(図12)。
続いて、「高気密・高断熱の住宅は、光熱費の抑制や、二酸化炭素の削減に効果があることを知っていましたか?」と尋ねたところ、7割以上の人が「知っていた」と回答しました(図13)。
さらに、「国土交通省が定める「断熱等級」(正式名称:「断熱等性能等級」)という住宅の断熱性能の基準があることを知っていましたか?」と質問したところ、認知度は4割以上で、「聞いたことがある」人は、約3割でした(図14)。
また、2022年10月より、断熱等級6および断熱等級7が新設されたことを知っていたかどうか尋ねると、認知度は約2割で、「知らなかった」と答えた人が約6割にのぼりました(図15)。
調査手法:オンラインアンケート
調査期間:2023年2月11日(土)~2023年2月19日(日)
調査対象:全国の男女
有効回答数:750サンプル
回答者:男性259名、女性491名(20代82名、30代297名、40代184名、50代125名、60代57名、70代以上5名)
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100にならない場合があります。
今回の調査では、「断熱等級6」および「断熱等級7」の認知度は現在2割程度にとどまることが分かりました。昨年、住宅の断熱性能をはかる基準「断熱等級」が20年以上ぶりに見直され、10月にこれまでの最高等級を大幅に上回る上位等級として「断熱等級6」および「断熱等級7」が新設されました。それぞれの等級の基準となるUA値(外皮平均熱貫流率)が定められており、等級が高ければ高いほど、優れた断熱性能をもつ住宅ということになります。2030年には、すべての新築住宅でZEH相当である「断熱等級5」が適合義務化される予定です。
この基準が新設された背景には、脱炭素社会へのさらなる貢献や、高騰し続ける電気代への対策があげられます。地球温暖化や気候変動により年々増加する自然災害の脅威、世界情勢の影響を受けた燃料単価の上昇とともに今後ますます値上がりしていくと予想される電気代、それらの問題に対しできることとして、住宅の高断熱化が急務となっています。
そんな中、今回新設された最高等級である「断熱等級7」は、平成28年省エネルギー基準※比で一次エネルギー消費量を概ね40%削減という極めて高い性能が必要になります。今後、日本が目指していく快適性と省エネ性を兼ね備えた、新築住宅の断熱性能指標となることが予想されています。
※住宅・建築物の使用によって消費されるエネルギー量に基づいて性能を評価する場合に、その基準となる性能