穏やかな毎日を守る家って?

“日々の暮らし”から“災害後の暮らし”まで守ってくれる「総合免災住宅」の頼もしさ!

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「暮らしのくふう」をお届けする小学館のwebメディア『kufura』編集長サトウが、一条工務店を突撃取材するシリーズ連載。今回は「私たちを本当に災害から守ってくれる家って、どういうものなんだろう?」というテーマ。

地震、水害……自然災害が避けられない日本だからこその、一条工務店が考える「総合免災住宅」という家づくりについて、サトウが色々な体験をしながらレポートします!

標準仕様の家でも、国の最高基準「耐震等級3」をクリア!

地震大国といわれる日本。だからこそ、どのハウスメーカーでも地震に備えた耐震設計は当たり前。でもじゃあ、そこに違いはないの?耐震基準をクリアしていればそれで安心なの? と疑問に思っているのは、ワタシだけではないはず!

今回、一条工務店の安全・安心な家づくりを詳しく教えてくれたのは、店長の榊原詳樹さん。

「まず、建物の地震に対する強さの指標として、現在広く使われているのは国が定めた耐震等級で、耐震等級1~3まであります。

たとえば耐震等級1は、数百年に一度程度の地震(震度6強から7相当)で倒壊や崩壊しない、数十年に一度程度発生する規模の地震(震度5強相当)に対して損傷を生じない程度を、基準としています。
これに対して、耐震等級2は、その1.25倍の強度があるということ。さらに最高基準の耐震等級3は、耐震等級1の1.5倍の強度があることを示します。これは、災害時に防災拠点となる消防署や警察署などの建物と同等の耐震レベルなんです」(以下「」内、榊原さん)。

知らなかった!ただ耐震基準クリア、といっても、レベルの差は結構あるんですね……。

「それを踏まえて一条の家の地震への備えを説明すると、当社の耐震基準には3つのレベルがあります。

まずはベーシックなプラン。特別なオプションを何もつけない“標準仕様”の家でも、国が定める最高基準の“耐震等級3”をクリアしています。

さらに安心を上乗せしたい方用に、耐震等級1の“2倍”の強度を持つ、その名も『2倍耐震』の家を開発しました。これはオプションでつけることが可能です。このクラスの耐震性があると、地震で家が倒壊しないのはもちろん室内の壁の損傷まで軽減し、地震の後も“家でそのまま十分暮らせる=在宅避難”が可能、と考えています。

加えて今は、『免震』という地震の揺れ自体を軽減する住宅もあって。これは、家の土台からまったく違う構造になっていて、圧倒的な安心感があります。実際に体験してみませんか?」

……ということで、一条工務店の誇る“免震”住宅がどんなものなのか、ワタシも実際に体験してみることに。

ヘルメットをかぶって準備OK。まずは、一般的な“制震”住宅で“震度7”の揺れを体験!……床に座りしっかり両手も着いて構えていたところに揺れがきたのですが、その瞬間「ひゃー!!!!」と思わず大声が出るほどのすさまじさ。床にうずくまっていてもその体勢を保つことは無理で、そのまま右に左にと、体ごと振り回されました。

コレ、もし固定してない家具やTVなど大きな家電が近くにあったら、飛んできたそれらにつぶされて大けが間違いなしだなぁ。たとえ家は崩壊しなかったとしても、この揺れで家の中はグチャグチャになるだろうな、と想像できます。

次に、一条が誇る“免震”住宅で、震度7を体験してみると……なんと!驚くことに、ダイニング机の前の椅子に普通に座っていられます。なんなら机にお皿が乗ってても落ちなそうなぐらい。もちろん揺れは感じますが、椅子も机もその場から動くこともなく、耐えられてる!なんで??すごい!!

「免震構造は、たとえばタワーマンションなどに使われている方法です。家の土台となる基礎の部分と家本体を切り離して、その間に揺れを逃がしてくれるスライダーや、建物を元の位置に引き戻してくれる積層ゴムなどを入れることで、地面の揺れを直接建物には伝えない、という仕組み。ちなみに免震ゴムは、ブリヂストンさんに特別に開発してもらったものなんですよ」

そうか、たしかにタワーマンションでは免震、という言い方をしますよね。これだけ揺れないなら高層階でも安心、しかもこの技術を、一条なら戸建て住宅にも取り入れることができるのだとか。これからの地震対策として、かなり期待できそうです!

品質にブレなし!自社グループ工場での生産だから安心

「加えて、ただ耐震基準をクリアしている、というだけでは不十分で。基準をクリアした設計図を“どう頑丈に建てるか”まで、徹底した管理で責任をもつのが一条流なんです。

一条の家づくりは、自社グループ工場でほとんどの部分を生産し、ある程度組み立ててから出荷します。実際の現場では最小限の作業でOKなので、現場の大工さんの作業経験などによって家の仕上がりに優劣やミスが出にくいという利点があります」

それは安心です!設計図での安全は確認できても、その通りに正確に工事されているかどうかは、素人の私たちにはわからないですから。
そして、もうひとつ驚いたのは“釘の色分け”。実際の工事現場を再現した場所で見つけたのが、青・赤・黄色、と長さごとに3色に塗り分けられた釘。コレにはどんな意味が???

「家の強度を保つには、釘打ちの場所と本数もとても重要なんです。一条では一般の住宅よりたくさん釘を打つことで、強度も上げています。

そのために釘を長さによって色分けし、建材にはその色で印をつけておき、どの位置にどの長さの(色の)釘を打って欲しいかを明確に指示しています。これならどの職人さんが作業しても、ミスなく強度を保つことができる、というわけ」

すごい!これだけ丁寧な指示なら私でも作業できそうです(←無理!)。

水害は都会でも!「水に浮かぶ家」で水害対策を初体験

地震による災害も怖いけれど、近年増えているのが、突然の局地的豪雨や大雨、台風による水害。

都会でも、一度に多くの雨が降ることによって排水し切れない水が溢れる“内水氾濫”が増えています。川の近くではないから水害は関係ない……ではなく、どこでも起きる可能性がある、と考えて対策をしたほうがいいんですよ」

たしかに、大雨が原因でマンホールの蓋が持ち上がり、浸水被害が起きているニュースを見ることがあります。でも、大量の水が流れてきたとき、家でできる対策ってあるんですか?

「はい!家の中への水の浸入を防いで、さらに家ごと水に浮かんでしまうことで水害対策をする家があるんです!……と言ってもイメージしづらいですよね。まずは“水に浮く家”を体験してみてください」

ということで、世界初(※)の“耐水害住宅”を体験。大きな水槽のような物の中に小型の建物が造ってあり、周囲に、どんどん水が入ってきます。

……と、ある程度の量の水が入ったところで、床がふわっと動いたような気配。部屋の中を取材チームで動いてみると、体重の移動によって微妙に床の傾きが変わります。「う……浮いてるー!!!」。

窓から外を見ると、家の下から50センチほどは水にすべて浸かっているのだけど、窓からも、扉からも、そしてトイレからも水がまったく入ってきません。

「この“耐水害住宅”では、水害で想定される様々な危険への対策をしています。たとえば床下の換気口には特殊な弁を設置して水が入り込むのを防いだり、窓は水圧に耐える樹脂サッシを採用していたり、という具合。

さらに、浮いた家がどこかに流れていってしまわないよう、家の四隅にポールを設置してワイヤーで繋ぎ止めてあるので、水が引いた後も元の正しいところに着地できる、という仕組みです」

船のようにぷかぷかと浮く家、実際に体験するとまるで何かのアトラクションかと思うほど。なんの違和感もなくふわっと浮いて、また元の位置にスーッと着地。こんなことが可能なのか!と、その技術の高さに目を見張りました。

ちなみに、この耐水害住宅、水に浮かばずに水の浸入だけを食い止めてくれる「スタンダードタイプ」もあるのだそう。この”水が入らない家”なら、ゲリラ豪雨が度々降る近頃でも安心して生活できそうです。

※一条工務店調べ (2020年8月時点)
※安全に避難できる場合は、各自治体の指示に従って避難してください。

災害の「その後」の暮らしまで守ってくれる「総合免災住宅」という考え方

実際に水害の体験者に話を聞くと、床上浸水などの被害に遭うと、その後の家の補修や掃除、家具や家電などすべてのメンテナンスに時間もお金もかかって、気持ちまでヘトヘトになってしまう、と。

それを考えたとき、災害から家を守ることはもちろん、その後の「家族の暮らしへの影響」が最小限になるように考えていくことが必要なんだな、と感じます。

一条工務店が掲げる「総合免災住宅」という考え方。

「地震への備え=耐震設計」はもちろん、「耐水害住宅」のような水害への備え、「大容量の太陽光パネル&蓄電池」による停電への対応……などなど、全方位的に災害に備えること、そして、その後の暮らしまで守ることをめちゃくちゃ真剣に考えて造った家、ということなんですよね。

今回の取材で伺ったのは一条工務店創業の地、静岡県浜松市の海沿いにある『住まいの体験館』。その帰り道に教えてもらったのが、「浜松市の沿岸には、一条工務店の寄付で造った、津波対策の防潮堤が設置されてるんですよ」ということ。

どこまでも「守る」姿勢を貫くのが一条流、と理解した編集長・サトウなのでした。

イラスト/朝倉千夏

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