20年先まで「経済的」な家って?

「家族みんなが満足する」間取り&収納を!「暮らしやすい家」をどこまでも一緒に考えてくれるって、ホント頼りになる

  • 間取り
  • 収納
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「暮らしのくふう」をお届けする小学館のwebメディア『kufura』編集長サトウが、一条工務店を突撃取材するシリーズ連載。今回は毎日の暮らしに直結する「間取りと収納」というテーマ。

家族構成やライフスタイルによって、求める間取りや収納は十人十色。家づくりは初めて&素人の私たちが、どのように間取りを考えていけばいいのか、理想は膨らむばかりですが、実現までに迷子になってしまいそう……。

家族の意見がまとまらない!?大丈夫、「家タブ」があります

家づくりで妥協したくないのは、やっぱり“間取り”。モデルハウスに行ったりカタログを眺めたりして、ワタシの理想の間取りってコレ!と考えをめぐらすのも楽しいですよね。
ついつい夢は広がり、アレもコレも詰め込んだ理想の家を思い浮かべてしまいます。

理想を語るワタシに、一条工務店が考える間取りのアイデアや収納について詳しく教えてくれたのは、様々なお客様の家造りをサポートしてきた一条工務店の岩田奏さん。

「ちょっと待ってください!理想を詰め込む前に、まずはこちらのタブレットを。質問に答えていくことで、ご家族のご希望がまとまったり、見えていなかった視点に気付けたりしますよ!」(以下「」内、岩田さん)

えー、タブレット??
これまでにも色んなカタログやInstagramのルームツアーも見たし、もっと色々な間取りをどんどん紹介して欲しいのになあ、と思いながらタブレットを開いてみると……。

なんと!まず目に留まったのが「家相にこだわりはありますか?」の設問。か、家相!? そこは盲点……思いもつきませんでした!

「間取りなどのご希望を叶えるのはもちろんなのですが、家へのこだわりはご家族やご親族の皆様それぞれにあるんです。プラン打ち合わせが進んだ段階でご両親に間取り図を見てもらったら、“家相が悪い”“この間取りはちょっと……”と指摘されて、泣く泣く変更になった、ということもありました。

そんな意見の違いが生じても、スムーズにご家族の意見をまとめていけるように一条工務店が取り入れているのが、こちらの『家づくりタブレット(通称“家タブ” )』なんです。

簡単な質問に答えていくだけで、何部屋欲しいかといった間取りのご要望や、将来ペットを飼いたいかなどの生活スタイルまで、明確になっていきます。具体的な設計に入る前に、ここでご家族のご要望が整理されていると、その後の打ち合わせが、とてもスムーズになるんです」

なるほど!確かにシンプルな質問に答えていくだけなのに、それまで気づかなかった自分や家族の家への要望や優先順位が棚卸しされていきます。ここまで考えておけば、設計してもらってから後悔…なんていうこともなくなりそう。

「間取りについてはご夫婦でも意見が異なることがあって、打ち合わせの時にその場でまとまりきらなかったり、お互いのご希望が出しきれなかったりすることも……。この“家タブ”を使って、打ち合わせ前までにご希望をしっかりと掘り起こして、すり合わせていただくことが、ご家族の皆様が満足する間取りを実現することに繋がるんです!」

たしかにそうですね。
間取りを決めるのが目的ではあるけれど、家タブの質問に答えていくことで「自分たち家族は、この家でいったいどういう暮らしをしたいんだっけ?」ということを、家族でじっくり話し合う時間を作れることも大きい気がします。

ちなみにこちらの家タブは契約後にレンタルしてもらえて、その後の設計士さんとの細かい打ち合わせなども、このタブレットを使って「オンライン打ち合わせ」ができるそう。

コロナ禍を経てこのようなスタイルになった、とのことですが、家づくりはなにかと時間が取られるもの。打ち合わせの度に、モデルハウスなどに足を運ぶ必要がなく、自宅から打ち合わせできるのは、時間的にも気持ち的にも(外出するとなると色々と準備が必要ですしね……)めちゃくちゃ助かります!

やっぱり気になる最新の間取り。家族の顔が見られるのってうれしい

間取りを決めるときに気になってくるのが「間取りにトレンドってあるの?」ということ。自分の好みや理想はもちろんあるけれど、みんながいいと思う最新情報は、知っておいて損なし!

「料理や洗濯などの家事を効率的こなしたい、というご希望もあって、動線を気にされる方が多いですね。家の中に行き止まりがなく、リビングやキッチンから洗濯スペースやお風呂まで、ぐるりと移動できる“回遊動線”が人気です。これだと家事をする際の移動がとてもスムーズで、無駄がありません。

また、コロナ禍もあったことで、帰宅したら玄関のすぐ横のシューズクロークに上着をかけて収納、そのまま手洗いうがいをしてからリビングに入る、というような“ただいま動線”を作る間取りも人気です」

回遊動線、たしかにすごく便利そう!料理をしながら洗濯やお風呂の準備まで、同時に済ませたい時に、いちいち行ったりきたりはとても面倒。動線、大事!

そして、今のワタシは帰宅時に自分の部屋のクローゼットまでいくのが億劫で、ついつい上着をソファの背にかけっぱなしにすることも……。でも、玄関を入ってすぐに上着をかけるスペースがあれば、さすがの私でも、散らからない(はず!)。「自然と片付く家」も実現できそう!

「ほかにも、お子さまがいるご家族の場合は帰宅時にコミュニケーションが取れるように、リビングに階段を設計するということもできます。顔を合わせてから自室に行く動線になるので、自然と会話が生まれますし、帰宅したことに気づかない、なんてこともなくなります」

わかります!子どもが小さいうちは「ただいまー」「おかえり、今日はどうだった?」なんて会話が当たり前と思っていても、子どもが大きくなってくると、なかなかそうはいかなくなってきたり心配が増えますよね。家族のコミュニケーションが自然と生まれる、家族を見渡すことができる間取りって大切なんだなあ、と実感です。

「さらに、最近はテレワークが増えてきたこともあり、ご夫婦それぞれ自分のスペースがほしい、といったご要望も多くお聞きします」

たしかに家族とのコミュニケーションや家事動線も大事ですが、共働きで二人ともテレワークの時に困った、という話もよく聞きます。ただ、書斎に一部屋ってかなり贅沢な気が……。

間取りと収納を一緒に考えるのも手!生活に合った収納を選ぶのが吉!

「そこでウォークインクローゼットを1つの部屋と考えて、その中に書斎スペースを設けるといったアイデアもあります。

今は、ご家族の衣類をひとつの大きなスペースにまとめるファミリークローゼットも人気なので、その一角に書斎や家事をする場所をつくることで、ちょっとした個人スペースにもなるんです」

おぉ、ファミリークローゼット!今は「ファミクロ」って言うんですよね(インスタで学びました!)。コレって昔の家にはなかった発想だけど、取り込んだ洗濯物を1箇所に収納できたら、家事がぐっとラクになりますね。「取り込んだ洗濯物を持ち主の部屋それぞれに配る」ストレスを解消してくれる、夢のお部屋。

そこに、自分だけのスペースをつくる、というのは確かにいいですね。

「ただ、お洋服を多くお持ちの方や、自分のものは自分で管理したいお年頃のお子さまがいる、などといった方には、各部屋に収納力が高いクローゼットをつけることをおすすめしています。

実は一条の場合はスライドハンガーやオリジナル収納も充実しているので、ウォークインクローゼットよりもコンパクトだけど収納力が抜群にいいんです」

ウォークインクローゼットにすればたくさん収納できそうなイメージなのに、そうとは限らないとは、目からウロコのお話…!言われてみれば、自分が立つスペースには服は置けないわけで、デッドスペースができてしまう、というのも理解できます。洋服が見やすく手に取りやすい、スーツケースなど大きなものもしまえるのがウォークインクローゼットの魅力ですが、クローゼットに人が立ち入るスペースは収納に活用できないと考えると、確かにもったいない!

一条さんオリジナル住設について取材した際にたっぷり見せていただきましたが、一条さんの収納は、本当に細かいところまで考え尽くされた充実っぷりで、なんと40ほどの組み合わせがある、とか。

あらかじめ設置されている引き出し式のボックスは、前後を入れ替えれば衣替えが完了する仕様だし、前後にスライドできるハンガーパイプは、ワードローブ全体が一気に見られるのが圧巻でした。

「クローゼットは、ご家族構成や持っている洋服の数、生活スタイルによって、最適なタイプがまったく違ってくるものなんです。家族それぞれがどういう使い方をしたいのか、将来の暮らしまで含めて事前に収納についてもイメージすることが、後悔しない間取りに繋がりますよ」

なるほど!自分の理想を叶えることはもちろん大事ですが、住んでから“こうしておけばよかった”と後悔しないためのヒントを、色々いただきました。

「とにかくウォークインクローゼットが欲しいんだ〜!」のように、理想の「箱」を求めていたワタシですが、今回の取材でグッと視野が広がった気がします!

「間取りづくりは、将来の暮らしづくり」なんですよね。一条さんの「住む人の暮らしに寄り添う」家造りの細やかさを、改めて実感した編集長・サトウなのでした。

イラスト/朝倉千夏

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