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2021.11.04
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日本の食卓に欠かせない、お米。アツアツのごはんから立ち昇る湯気と香りは、私たちを幸せな気持ちにしてくれます。せっかく食べるなら、ふっくらツヤツヤな一粒一粒を、おいしく味わいたいものです。そこで今回は、お米のプロである五ツ星お米マイスターの西島豊造さんに、お米選びのポイントやワンランク上をめざすごはんの炊き方などについてお話を伺いました。お米の魅力を知って、よりおいしいごはんを味わいつくしましょう。
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日本の食卓に欠かせない、お米。アツアツのごはんから立ち昇る湯気と香りは、私たちを幸せな気持ちにしてくれます。せっかく食べるなら、ふっくらツヤツヤな一粒一粒を、おいしく味わいたいものです。そこで今回は、お米のプロである五ツ星お米マイスターの西島豊造さんに、お米選びのポイントやワンランク上をめざすごはんの炊き方などについてお話を伺いました。お米の魅力を知って、よりおいしいごはんを味わいつくしましょう。
お米を主食とする日本人は、和食はもちろん洋食や中華など、毎日さまざまな食べ方でお米に親しんでいます。こんなに身近な食材なのに、実は意外に知らないことも多いのでは? ここでは、お米について知っておきたいアレコレをまとめました。
稲作の始まりは、約3000年前の縄文時代後期。弥生時代には日本各地に広がっていたそうです。日本においてお米は、古代から神聖なものとして、儀式や祭礼に使われてきました。身近なところでは、正月にお餅、祝い事で赤飯を食べる慣習も残っています。
お米には、脳や体のエネルギー源となる炭水化物のほか、血や筋肉などをつくるタンパク質、体の調子を整えるビタミン・ミネラルなどが含まれていて、まさに栄養の宝庫!朝食に食べれば、脳の働きがよくなり、勉強や仕事の効率アップも期待できます。
お米は太る、というのは実は大きな誤解。パンや麺類と違って、ゆっくりと消化・吸収されるため、血糖値の上昇も緩やかになり、脂肪になりにくい食材です。腹持ちもよいため、間食を控えることができ、カロリーの摂りすぎを防止できます。
日本では、お米の出荷前に成分を分析するなど、厳格な品質管理が行われています。農薬を使用する場合、国が農家での使用状況を確認し、安全が認められた登録農薬だけが用量を厳守して使われています。基準値を超えてお米に残ることはありません。
日本で品種登録されているお米のうち、ごはん用としてつくられているのは約320品種。それぞれ特徴が異なり、ひとつとして同じお米は存在しません。さらに、同じコシヒカリでも、東日本と西日本での違いや、気候、土壌、河川の水質、また地形(平地、棚田、盆地など)、日当たり、さらには栽培方法の違いによっても特徴は変わってきます。つまり、お米の数だけ、おいしさがあるということ。近年は品種改良が進み、各地で個性あふれるお米が誕生しています。好みの味を探すため、ぜひ、いろいろ試してみましょう。
自分好みのお米に出会うには、3合か1㎏のパックを3種類ずつ試してみるなど、いろいろな品種を少量で買い求め、食べ比べるのが近道。日ごとに炊くお米を変えることで、昨日と比べて今日の方が粘りが強いとか、甘みがあるといった違いがわかってきます。食べ比べの際は、お米の特徴を示す5項目(見た目、味、香り、粘り、粒感)がポイントに。ただ、見た目と香りについては、炊飯器の性能向上により差が出にくいため項目から除いてもOK。まず、粘りと粒感を比べてから味を比較して、“まいベスト”なお米を探してみてください。
西島さんオリジナルの「お米の食味チャート」は、食感や味わいによって「もっちり」「あっさり」「硬い」「柔らかい」の4つに分かれています。なお、チャートの中心に近いお米はオールマイティで、幅広い料理とあわせやすいそうです。お米と料理の相性を、ぜひお楽しみください。 ※2023年秋時点の情報です。
甘みの強いお米で、味の濃いおかずや夜ごはん向き。
適度な甘さのお米で、和食や薄めの味付けのおかず、朝ごはんと好相性です。
粒感の立ったお米で、おにぎりなどに。
粘りのあるお米で、とろりと仕上げたい雑炊などにオススメ。
北海道最上級ブランド米。甘く濃い味で、粘りが強く、ふんわり柔らか。まずは、白ごはんそのままで味わうのがオススメ。
コシヒカリ発祥の地が技術の粋を尽くし「甘くて、もっちり、なめらかな食感」を求めて開発。絹のような白さとツヤも特徴。
「コシヒカリを超える極良食味(ごくりょうしょくみ)」をコンセプトに誕生した品種。ふっくらした食感で、噛むほどに広がる深い甘みが魅力。
佐賀の気候や土壌に合わせて誕生。粒が大きく張りがあり、モチモチ食感で、香りや甘みも豊富。時間がたってもおいしいのも◎
粘りとキレのバランス、上品な甘みが特徴。ほどよいツヤと柔らかな白さがあり、粒はやや大きめのしっかりとしたお米。
粒がそろっていて、トップレベルのツヤがある。口当たりはサッパリしていて上品な甘みと旨みがあり、和食を引き立てる。
甘みとコク、味に厚みがあり、表面は硬めでしっかりとした粒感もありながら粘りも強い。米どころ新潟の情熱あふれるお米。
今まで何となくお米を選んでいたという方も、それぞれの食味や料理との相性を知れば、少し見方も変わってきたのではないでしょうか。これからのお米選びに、ぜひ活用してみてください。
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※本記事は「iikoto」2023年10月号を再編集したものです。掲載情報は発行当時のものになります。
監修:五ツ星お米マイスター
西島豊造さん 米穀店「スズノブ」代表取締役
北里大学卒業後、農業土木コンサルタントの仕事を経て、1988年に家業の米屋「株式会社スズノブ」を継ぐ。2004年、五ツ星お米マイスターに認定。産地を回って得た米に関する膨大な知識を活かし、「Suzunobu Project Rice」を立ち上げ、多くのブランド米づくりと地域活性化に携わっている。講演会や調理学校での指導のほか、お米ソムリエ・お米博士として新聞やテレビなどのメディアに多数出演中。著書に『お米の達人が教える ごはん基本帳』 (家の光協会)、監修として『あきたこまちにひとめぼれ』(双葉社)がある。
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※本記事は『iikoto』(2023年10月号)の特集をもとに編集しています。
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