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2024.09.02

安全な暮らし 12-5[おうち防災]

家族で備える
おうち防災のススメ《前編》

家族で備える おうち防災のススメ《前編》

毎年のように日本中で大きな被害をもたらす、自然災害。この国に住む私たちにとって、予期せぬ災害に備えることは宿命ともいえます。…と理解はしていても、忙しい日々の中で“もしも”の準備は後回しにしてしまいがち。そこで今回は、イラストレーターでありながら防災士としても活躍されている草野かおるさんに今すぐ始めるべき「おうち防災」についてお話を伺いました。「いつか、やろう」の第一歩目を、ここから始めてみませんか?

毎年のように日本中で大きな被害をもたらす、自然災害。この国に住む私たちにとって、予期せぬ災害に備えることは宿命ともいえます。…と理解はしていても、忙しい日々の中で“もしも”の準備は後回しにしてしまいがち。そこで今回は、イラストレーターでありながら防災士としても活躍されている草野かおるさんに今すぐ始めるべき「おうち防災」についてお話を伺いました。「いつか、やろう」の第一歩目を、ここから始めてみませんか?

おうち防災を始める前に知っておこう! 「行けば安心」は間違い? 避難所のリアル おうち防災を始める前に知っておこう! 「行けば安心」は間違い? 避難所のリアル

皆さんは避難所にどんなイメージを持っていますか?「お弁当や温かい炊き出しが出る」「行けば役所の人が面倒をみてくれる」と思う人もいるかもしれません。しかし実際は、快適さやプライバシーがないなど想像しているような場所ではない可能性も。まずは、避難所がどんな場所か知っておきましょう。

行っても 全員が避難所に入れないこともある 行っても 全員が避難所に入れないこともある

災害時に避難所へ向かっても、満員で入れないケースや遠い避難所へ案内されることも…。近年では、感染症予防のため過密にならないよう定員を設けている地域も多くあります。

避難所のイラスト

入れても 布団や食事が用意されていないかも 入れても 布団や食事が用意されていないかも

食事の支給があるのは概ね4日目以降。当日のうちに出てくるのは非常食として備えられている乾パンと水くらいです。寝具も、一世帯に毛布2枚ほどで、足りなければ支給されないこともあります。

布団と食事と飲料水のイラスト

さらにプライバシーのない生活は大きなストレスに! さらにプライバシーのない生活は大きなストレスに!

災害発生直後の避難所では、仕切りがない中で雑魚寝をするしかありません。就寝時も照明がついていたり、ほかの人の話し声や足音が気になったりと、慣れない集団生活は大きなストレスがかかります。

だからこそ!
もしものときにおうちで避難ができるよう「おうち防災」を始めましょう! もしものときにおうちで避難ができるよう「おうち防災」を始めましょう!

※命の危険があったり、家が倒壊しそうな場合などは、自宅での避難をすることが難しいため、速やかに避難してください。

指定避難所の看板のイラスト

※命の危険があったり、家が倒壊しそうな場合などは、自宅での避難をすることが難しいため、速やかに避難してください。

まずは、想像する まずは、想像する

家族構成や住んでいる地域によって、必要な備えは変わります。まずはここで紹介する例を参考に、それぞれの災害時には家の中でどんなことが起こるのか想像して、必要な対策を考えてみましょう。

もしも、
電気・水道が止まったら?

  • 矢印家の中の電化製品が使えない
  • 矢印トイレが流せない
  • 矢印お風呂に入れない
  • 矢印テレビなどから情報が得られない
  • 矢印電子マネーやクレジットカードが使えない
電気・水道が止まったイラスト

停電・断水対策+はじめよう! 停電・断水対策+はじめよう!

明かりの確保が最優先 明かりの確保が最優先

停電すると、視界が悪く避難をするのも困難になるため、ドアノブや階段の足元などに蓄光シールを貼っておくと安心です。また、家族分のライトを備えておきましょう。

両手があくヘッドライトは家族分あってもいい

断水に備えて、お風呂に水を貯めておこう 断水に備えて、お風呂に水を貯めておこう

大型の台風が近づいているときは、お風呂を早めに済ませ、きれいな水を貯めておきましょう。小さなお子様がいる家庭は、転落事故防止のためお風呂のフタをしめるようにしましょう。

バスタブに水が貯まっているイラスト

もしも、
台風・豪雨がやってきたら?

  • 矢印ものが飛んできて窓ガラスが割れる
  • 矢印床下・床上浸水する
  • 矢印低い位置にある家電が漏電する危険がある
  • 矢印汚水が逆流する恐れがある
浸水で助けを求めているイラスト

水害の対策+はじめよう! 水害の対策+はじめよう!

安全な避難ルートを確認しておこう 安全な避難ルートを確認しておこう

平常時からハザードマップを確認しましょう。特に、水害時は自宅から避難所までの最短ルートが浸水し、安全ではないことも。必ず一度、避難所までの安全なルートを確認し、避難にどのくらいかかるか実際に歩いてみましょう。

家族でハザードマップを確認している様子

逆流に備えて水のうを準備しよう 逆流に備えて水のうを準備しよう

大型台風や豪雨の予報が出たら、トイレやお風呂、洗濯機などは水の逆流を防止するため、ビニール袋に水を入れた水のうを用意して排水口を塞いでおきましょう。

トイレに水のうを貯めているイラスト トイレに水のうを貯めているイラスト

飛来物の対策も忘れずに 飛来物の対策も忘れずに

飛来物で窓ガラスが割れてしまう可能性もあるため、園芸用のネットを張るなどの対策をしましょう。また、台風が来ることが予測されるときには、前日のうちに植木鉢や物干し竿など飛んでしまいそうなものを室内に入れておきましょう。

物干し竿やプランターは室内に移動 結束バンドで止める
防災POINT

あなたの街の気象情報をチェック!

気象庁が提供する「ナウキャスト」は、5分おきの降雨状況や雷活動などを1㎞四方の細かさで1時間先まで予報。非常に細かく表示されるため、雨雲の状況をリアルタイムに確認して、安全なうちに対策や避難を済ませましょう。

もしも、地震が起こったら?

  • 矢印ものが飛ぶ、倒れる、落下する
  • 矢印窓が割れる恐れがある
  • 矢印ライフラインが止まる
  • 矢印キッチンの火災など二次災害が起こる危険性
  • 矢印ドアが開かなくなる恐れがある
倒れるタンスのイラスト

地震の対策+はじめよう! 地震の対策+はじめよう!

地震が起きたときは、まず避難口を確保 地震が起きたときは、まず避難口を確保

家具も少なくすぐに外に出られる玄関は、家の中でも「安全な場所」。揺れがおさまったらすぐに玄関に避難し、傘立てなどでドアが閉じない工夫をしましょう。非常用持ち出し袋も玄関に置いておくのがおすすめです。

避難口を確保しているイラスト

キッチンは飛び出し防止策を キッチンは飛び出し防止策を

包丁やお皿など災害時には危険なものが多いキッチン。棚の扉をS字フックで固定したり、棚の中に滑り止めシートをしくなど飛び出さない工夫を施しましょう。また、冷蔵庫も転倒防止ベルトや、中身を詰めた段ボールで上部のスペースを埋めるなど、倒れないように対策をしましょう。

キッチン棚の飛び出し防止策

家具を固定して逃げ道を確保しよう 家具を固定して逃げ道を確保しよう

もしものときにスムーズに避難するために、日頃から床をスッキリさせておくことが大切です。また、家具が倒れてしまうと逃げ道が塞がれるため、粘着ジェルマットや転倒防止プレートなどを使って対策をしましょう。

家具を固定する箇所のイラスト

寝室には背の高い家具を置かない 寝室には背の高い家具を置かない

就寝時は無防備な状態になるため、背の高い家具を置かないことが基本です。カーテンはガラスの飛散を防止するため閉めて眠ることを心がけましょう。また、ベッドの下にライトやスニーカーを用意しておくと、スムーズに避難することができます。

寝室の地震対策
防災POINT

ドアの周りには家具を置かない

ドアの周りに家具を置いていると、万が一、家具が倒れたときにドアを塞いでしまい、避難が難しくなってしまう可能性が。そのため、ドアの周辺には大きな家具は置かないようにしましょう。

「おうち防災」を始める第一歩は、実際の災害をイメージして、どんな危険性があるのかを確認しておくこと。そこから、必要な対策が見えてきます。

※本記事は「iikoto」2023年9月号を再編集したものです。掲載情報は発行当時のものになります。

SUPERVISOR:イラストレーター&防災士

草野 かおるさん


出版社勤務の後イラストレーターとして活動。PTA・自治会を通じて16年にわたり防災勉強会や防災訓練などで防災活動に関わったことを活かし、東日本大震災の数日後にブログにて発信を開始。現在は、X(旧Twitter)などからも積極的に情報を発信している。2018年には防災士の資格を取得し、防災について講演を行うほか、テレビやラジオにも出演。主な著書に『おうち避難のためのマンガ防災図鑑』(飛鳥新社)や『4コマですぐわかる新みんなの防災ハンドブック』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。本特集のイラストも描いていただきました。

イラストレーター&防災士

この記事のまとめ

風水害への備え

○ハザードマップ・避難場所・家族の連絡方法などの確認

○飛散防止フィルムを貼って窓ガラスを補強

○物干し竿など屋外のものは、できるだけ室内に移動

在宅避難ができる3つの条件

〇自宅に大きな損壊がない

〇自宅周辺に火事や液状化などの二次災害がない

〇余震が続くなどの心理的な不安がない

Look!iikoto with ICHIJO

『iikoto』は、豊かに、健やかに、楽しく暮らすためのヒントが詰まった、一条のライフスタイルマガジンです。無料でプレゼントいたしますので、バックナンバーページからぜひご請求ください。

※本記事は『iikoto』(2023年9月号)の特集をもとに編集しています。

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