2023.03.15
健康と住まい
10-13[おうち湯・入浴法]
お風呂で、ゆるり。
“おうち湯”再発見《後編》
前後編に分けてご紹介している「「風呂のプロ」が教える入浴のイロハ~うれしい作用からおすすめ入浴法まで~」。後編では、前編に続いて「風呂のプロ」である東京都市大学の早坂信哉先生に、おすすめの入浴法や、知っておきたい「お風呂にまつわる話」を伺いました。ぜひ、“おうち湯”の良さを再発見して、今夜からもっとお風呂を楽しんでください。
前後編に分けてご紹介している「正しい入浴方法で健康に!「風呂のプロ」が教える健康作用と安全&快適なおうち湯の入浴法」。後編では、前編に続いて「風呂のプロ」である東京都市大学の早坂信哉先生に、おすすめの入浴法や、知っておきたい「お風呂にまつわる話」を伺いました。ぜひ、“おうち湯”の良さを再発見して、今夜からもっとお風呂を楽しんでください。
皆さんのなかには、マッサージやストレッチを取り入れるなど、独自のルーティンで毎日のお風呂時間を楽しんでいる方もいることでしょう。
ここでは監修の早坂先生が推奨する安全&快適な入浴法をご紹介します。手順を参考にしながら、おうち湯をごゆっくり、お楽しみください。(所要時間:約30分)
まず、水分!
一度の入浴で約800㎖発汗するというデータもあります。脱水症状を防ぐため、入浴前にコップ1杯の麦茶で水分補給を。
脱衣所を暖めよう
ヒートショックを防ぐため、脱衣所用の温風ヒーターなどで、あらかじめ暖めておきます。
浴室内にシャワーをかけよう
壁や床など浴室内全体に1〜2分、シャワーをかけて暖めておきます。これもヒートショックを防ぐためです。
かけ湯をしよう
手足の先から心臓に向かってかけ湯をし、だんだんとお湯の温度に体を慣らしていきましょう。
湯船に入ろう(1回目)
湯船にゆっくり体を沈めて5〜6分。そのうち、じんわり汗が出てきます。お湯の温度は心身ともにリラックスできる40℃以下で。
体を洗おう
何で洗うかは好みもありますが、オススメは手のひら。角質を傷つけず、体のかゆみを防ぎます。手のひらで石けんを泡立て、全身を洗っていきましょう。
湯船に入ろう(2回目)
お湯で体をサッと流したら、もう一度、湯船の中へ。ここでまた、5〜6分温まります。温まる時間は、1回目と2回目を合わせて10〜15分が目安です。
さあ、出よう!
湯船から上がったら、全身にシャワーでお湯をかけ、湯船のお湯をきれいに洗い流して浴室を出ます。
保湿しよう
お風呂上がりは急激に水分が蒸発してしまうので、バスタオルで全身を優しく拭いたら、10分以内に保湿クリームでスキンケアしましょう。
また、水分!
入浴の最後に、もう一度、水分補給!あ〜サッパリ、キモチい〜♪
ここからは、お風呂に関する豆知識をいくつかご紹介します。「なるほど」と思う内容を実践したり、誰かに話して分かち合えたら、身も心も温まるかも。
日本人は、
今も昔も大のお風呂好き
多くの人がほぼ毎日お風呂に入り、無類のお風呂好きといわれる日本人。諸外国で自宅に浴槽をもち、湯船に浸かる習慣のある民族はほかにいないとされています。また、歴史をひもとけば、江戸時代には各地で「温泉番付」がつくられ、これを「旅行ガイド」にして、療養に出かける人もいたのだとか。
江戸時代の温泉番付「諸国温泉効能鑑」。最高位は、東が「草津温泉」、西が「有馬温泉」と記されている。
命の危険も!?
ヒートショックに要注意
最近の研究によると、入浴時に亡くなる人は年間約1万9,000人にも上り、その数は、交通事故による死者数の約5倍。高齢者に多く、また冬に圧倒的に増えるのも特徴です。この原因の多くが「ヒートショック」。急な温度差が体に刺激を与え、血圧が急上昇して、脳卒中や心筋梗塞など重大な病気を引き起こすことをいいます。ヒートショックを防ぐには、居室から浴室までの温度差をできるだけ少なくすること。脱衣所を暖めておき、リビングとの温度差を5℃以内にして、20℃以上の室温を保つようにしておきましょう。
さらに、入浴前にはシャワーで浴室内全体を暖め、お湯の温度は冬でも40℃くらいまでとして熱くしすぎないように。必ず十分なかけ湯をして、お湯の温度に体を慣らしてから、ゆっくり湯船に入りましょう。
寒い夜は柚子湯で
5〜6個の柚子をそのまま、もしくは半分に切って湯船に浮かべます。皮膚の乾燥や冷えの予防効果が期待できます。柑橘系の香りでリラックス効果も。
水分補給は
ミネラル入り麦茶で
入浴でたくさんの汗をかくと、水分やミネラル分が失われます。そこで入浴前後にはミネラルが入った麦茶を飲むのがおすすめ。無糖でノンカフェインなので毎日飲んでも安心です。
ぐっすりスヤスヤ、
入浴から入眠へ
人間は、体温が下がってくると眠くなる仕組みになっています。入浴後1時間ほどで体温が下がってくるので、就寝の90分前を目安に入浴すれば、スムーズに眠りにつくことができます。
前後編にわたってご紹介してきた「おうち湯再発見」。豊かで健康なお風呂ライフを楽しむためのヒントが見つかったら、今夜から試してみてはいかがでしょう。
※本記事は「iikoto」2020年11月号を再編集したものです。掲載情報は発行当時のものになります
監修:早坂 信哉さん
温泉療法専門医、博士(医学)/東京都市大学人間科学部教授
2002年、自治医科大学大学院医学研究科修了後、浜松医科大学准教授、大東文化大学スポーツ・健康科学部教授などを経て現職。(一財)日本健康開発財団温泉医科学研究所所長、(一社)日本銭湯文化協会理事、日本入浴協会理事。生活習慣としての入浴を医学的に研究する第一人者として各種メディアで活躍中。著書に『入浴検定公式テキスト』(シナノパブリッシング)、『最高の入浴法』(大和書房)など。
この記事のまとめ
安全で快適なおうち湯入浴法のススメ「十の手順」
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※本記事は『iikoto』(2020年11月号)の特集をもとに編集しています。
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