2023.03.24
健康と住まい
10-15[予防と症状の緩和]
ムズムズSTOP!
今すぐできる花粉症ケア《後編》
前後編に分けてご紹介している「【今日から試せる!】花粉症治療のプロが教えるセルフケア法や日常生活での予防法」。後編では、前編に続いて花粉症治療のプロフェッショナル・大久保公裕先生に、すぐに実践できるセルフケア法や日常生活での予防法などについてお話を伺いました。花粉症の不快なムズムズをなくすために、できることから始めてみてはいかがでしょうか。
前後編に分けてご紹介している「【今日から試せる!】花粉症治療のプロが教えるセルフケア法や日常生活での予防法」。後編では、前編に続いて花粉症治療のプロフェッショナル・大久保公裕先生に、すぐに実践できるセルフケア法や日常生活での予防法などについてお話を伺いました。花粉症の不快なムズムズをなくすために、できることから始めてみてはいかがでしょうか。
薬を使わず、今日からスグに実践できる鼻のムズムズを改善するセルフケア法をご紹介します。
CARE❶
お風呂で鼻タオル
鼻づまりの原因は、ズバリ血行不良。解消するには、血行を改善し空気の通りを良くしてあげればOK。これを手軽にできるのがお風呂です。湯船に浸かり、小さなタオルをお湯で濡らしたら軽く絞って鼻の上部にのせるだけ。5分ほど温めると頑固な鼻づまりも解消していきます。花粉症はストレスからも影響を受けるので、リラックスできるお風呂は、その意味からもうってつけです。
CARE❷
鼻をスッと通す強力なツボ
鼻がつまったときに、鼻の通りを良くするツボが「天柱(テンチュウ)」と「迎香(ゲイコウ)」。入浴時にこのツボ押しを行うとさらに効果的なので、花粉症シーズン中は、CARE①でご紹介している「鼻タオル」とセットで続けてみてください。
CARE❸
就寝時の鼻づまり解消法
就寝時、鼻がつまっている側と反対側を下にして横向きに(右の鼻がつまっているときは、体の左側を下にして左の脇に圧力をかけるように)寝てみてください。体の側面を圧迫すると、その反対側の交感神経が刺激され、鼻づまり解消の効果があるとされています。
COLUMN
花粉の寿命って
どのくらい?
スギ花粉は、受粉のため風によって花粉を飛ばす風媒花(ふうばいか)です。まさに“風まかせ”の受粉の確率を上げるため、風媒花の花粉は1ヵ月近く生きる(=受精能力がある)ことが知られています。都市部では、アスファルトに落ちた花粉が何度も舞い上がる現象が起こりますが、最後は雨に流され、永久にとどまるわけではないので、どうぞご安心を。
衣・食・住と3つのカテゴリーから日常生活を見直して、発症していない人には予防になり、すでに花粉症の人には症状を和らげる方法をお届けします。
外に干した洗濯物には多くの花粉が付着し、取り込むときに大量の花粉も家の中に入ってしまいます。そこで花粉症シーズンは、部屋干しがおすすめ。どうしても外で干したい場合は、洗濯物をよくはたき、花粉を十分に落としてから取り込みましょう。
ストレスは自律神経にダメージを与え、免疫のバランスを崩すといわれています。すると、少しの花粉にも過敏に反応して症状が悪化、さらにストレスに…といった悪循環に陥ることも。疲れたときはしっかり休み、上手に気分転換をしてください。
人の出入り口は花粉の出入り口でもあります。玄関やリビングなど、人が頻繁に出入りする場所には空気清浄機を設置。また、寝室に加湿器を置けば、寝ている間に粘膜が潤ううえ、花粉が舞うのを抑えることもできます。
花粉は部屋の隅に溜まりやすいので、四隅はすき間をあけ、こまめにお掃除しましょう。花粉同様アレルギーの原因となるダニやホコリを減らすためにも「モノは少なく」が基本。テーブル上の書類などもホコリが溜まりがちなので、フタや扉が閉められる所に入れておきましょう。
調査によれば、花粉症シーズンに約1時間、屋外を歩くとセーター1枚に約8万個もの花粉が付着したというデータが。外出時の服装(特にアウター)はウールなどを避け、毛羽立ちのない素材を。マスクとメガネもお忘れなく!
※出典:『ライオン株式会社 生活情報メディア 「Lidea」』
帰宅したら、家に入る前に花粉を払い落とし、アウターは玄関などに掛けておくのがベスト。すぐに着替えて手や顔を洗い、うがいもしましょう。女性の場合、マスカラやまつ毛にも花粉が付着しているのでご注意を。
花粉に対抗するには免疫力の向上が大切。十分な睡眠や規則正しい生活を意識し食生活にも配慮を。食べ過ぎ、塩分のとり過ぎに注意し、花粉症に効果があるからと特定の食品ばかり食べるのではなく、バランスの良い食事を心がけましょう。
IMPORTANT POINT
いつも以上に風邪の予防を
くしゃみや鼻水など、症状に共通点が多い風邪と花粉症。風邪をひくと、粘膜にダメージを与え、花粉症の症状まで悪化させてしまうことも。花粉症シーズンは、いつも以上に風邪をひかないように注意してください。
※本記事は「iikoto」2021年2月号を再編集したものです。掲載情報は発行当時のものになります
監修:大久保 公裕さん
日本医科大学大学院 医学研究科頭頚部・感覚器科学教授
同付属病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科部長
医学博士。日本医科大学大学院耳鼻咽喉科卒業後、アメリカ国立衛生研究所(NIH)留学。免疫アレルギー性疾患のエキスパートであり、花粉症治療の第一人者として診察をする一方、国や企業との共同研究などを行う。著書に『クスリいらずで鼻はスカッとよくなる!』(扶桑社)ほか多数。
この記事のまとめ
鼻を“スッキリ”させる
セルフケア
ツボ押し
鼻の通りをよくするツボ
「天柱」「迎香」を指圧
就寝時
体の向きを変えて鼻づまりと
反対側の交感神経を刺激
衣・食・住それぞれの
生活習慣を見直して、
花粉症の予防と症状の緩和を
『iikoto』は、豊かに、健やかに、楽しく暮らすためのヒントが詰まった、一条のライフスタイルマガジンです。無料でプレゼントいたしますので、バックナンバーページからぜひご請求ください。
※本記事は『iikoto』(2021年2月号)の特集をもとに編集しています。
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