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あなたにとって理想のキッチンとは、どんなキッチン?
2021.11.04
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ちょっぴり疲れているとき、仕事や勉強で気分転換したいとき。ひと粒、口に入れるだけで、シアワセな気分で満たしてくれるチョコレート。そこには、ただ美味しいだけではない、特別な“何か”があるようです。今回は、チョコレートジャーナリストの市川歩美さんに、私たちを捉えて放さないチョコレートの魅力、楽しみ方を伺いました。きらめくような美味しさに心ときめく、チョコレートの魔法を味わってみませんか?
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ちょっぴり疲れているとき、仕事や勉強で気分転換したいとき。ひと粒、口に入れるだけで、シアワセな気分で満たしてくれるチョコレート。そこには、ただ美味しいだけではない、特別な“何か”があるようです。今回は、チョコレートジャーナリストの市川歩美さんに、私たちを捉えて放さないチョコレートの魅力、楽しみ方を伺いました。きらめくような美味しさに心ときめく、チョコレートの魔法を味わってみませんか?
チョコレートの原料であるカカオは、最近の研究で5000年以上も前から口にされていたことが判明。「神様の食べ物」とされ、貨幣の役目も担う貴重品でした。初期のチョコレートは飲み物で、16世紀、アステカ帝国の皇帝モンテスマは、1日50杯も飲んでいたとか!
それから約300年後、オランダでカカオパウダー(カカオ豆から脂肪の一部を取り出したもの)が発明され、現在のチョコレートにつながる飲み物=ココアが誕生。1847年には、イギリスで今のチョコレートの原型が完成し、ヨーロッパへと広がっていきました。
日本への伝来は18世紀末頃。長崎の女性がチョコレートをオランダ人からもらったという記録が残っています。初めての販売は1878年で、大正時代に入って全国に広がり、第二次世界大戦後にはチョコレート産業が飛躍的に成長。技術も進歩し、多彩なチョコレートが生まれていきます。
実はカカオはトロピカルフルーツの一種。生産量世界1位はコートジボワール、2位がガーナです。平均気温27℃以上、年間降水量1000mm以上など、生育に適した環境はかなり限定的。7〜10mほどの高木にラグビーボールのような実がなり、その中の30〜50粒ほどの小さな種(カカオ豆)がチョコレートになります。
花が咲き、実を結んでから半年ほどかけて熟したカカオの実を収穫。赤、黄、オレンジなど品種により色はさまざまです。
カカオポッドと呼ばれるカカオの実をナタなどで割り、白い果肉に包まれたカカオ豆を取り出します。
取り出したカカオ豆を果肉ごとバナナの葉で包み、発酵させます。この工程により、カカオ豆を焙煎したときに独特の香りと旨みが生まれます。
発酵を止めるために7〜8%ほどの水分量まで乾燥させます。乾燥することで腐敗するのを防ぎます。
乾燥したカカオ豆は麻袋などに入れて、世界中へと出荷され、チョコレートになります!
見た目や味わい、香りなどにさまざまな違いがあり、原材料や加工方法でも分類・種類が複雑に異なるチョコレート。ここでは、違いが分かりやすい王道のチョコレート5種をご紹介。お好みのテイストを選んでみてください。
ビターチョコレートとも呼ばれ、ミルク(乳製品)は入っていません。一般的に濃い褐色で甘みが少なく、製菓の原料になるのもこのタイプです。
主な原材料
カカオマス/カカオバター/砂糖
ミルクは、全粉乳や脱脂粉乳などのパウダーを使用。マイルドな味わいで苦みは少なめです。1875年にスイスで誕生しました。
主な原材料
カカオマス/カカオバター/砂糖/
ミルク(乳製品)
白いのはカカオマスが入っていないから。カカオバターにはほぼ風味がなく、味のメインは、ミルクと砂糖です。1936年にスイスで誕生しました。
主な原材料
カカオバター/砂糖/ミルク(乳製品)
フランスの老舗メーカー・ヴァローナ社が2012年に発表。塩キャラメルやビスケットのような濃厚な美味しさで、今では世界中で愛されています。
主な原材料
カカオバター/砂糖/ミルク(乳製品)
スイスのカレボー社が10年以上の歳月をかけ、特定の条件を満たしたルビーカカオ豆より製造。天然のピンク色とベリーのような酸味が特徴です。
主な原材料
カカオマス/カカオバター/砂糖/
ミルク(乳製品)
カカオマス
カカオ豆を発酵、乾燥、焙煎後、すりつぶしペースト状にして固めたもの。
カカオバター
カカオマスを圧搾(あっさく)して取り出した油脂分。ココアバターともいいます。
カカオ農家の生活向上と地球環境に配慮された生産方法で育てられ、収穫されたカカオが「サステナブルカカオ」。生産地の過重労働を減らして収入を増やす試みや、生産性を上げ、環境に優しい栽培方法の開発・提供など、今やグローバルに展開するチョコレート関連企業のほとんどが「サステナブルカカオ」への取組みを行っています。また、国内メーカーやコンビニが独自の方法で生産地支援を行っているケースもあり、サステナブルなチョコレートは私たちの身近な存在になっています。
ここまで、知るほどに深まるチョコレートの歴史やカカオの生産過程、また多彩な個性を持ったチョコレートの種類についてご紹介しました。後編では、チョコレートの健康効果や保存のコツ、チョコレートを味わい尽くすテイスティング方法やアレンジレシピなど、より実践的な内容についてお伝えします。
後編はこちらから
※本記事は「iikoto」2023年2月号を再編集したものです。掲載情報は発行当時のものになります。
監修:市川 歩美さん
チョコレートジャーナリスト
日本唯一のチョコレートジャーナリストとして、カカオ生産地をはじめ各国を取材。商品情報にとどまらず、チョコレートの歴史、文化、社会的な側面を踏まえ、多数のメディアで情報を発信している。チョコレートの魅力を広く伝える、ショコラコーディネーターとしても活動。
『iikoto』は、豊かに、健やかに、楽しく暮らすためのヒントが詰まった、一条のライフスタイルマガジンです。無料でプレゼントいたしますので、バックナンバーページからぜひご請求ください。
※本記事は『iikoto』(2023年2月号)の特集をもとに編集しています。
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