対応商品:全モデル
一条は、住宅メーカーでもいち早く実大実験を開始。
理論上の数値だけに頼るのではなく、
実物大の建物で実験して耐震性を確かめる、というポリシーを貫き、
お客様の家づくりにフィードバックすることで、より確かな安心をご提供しています。
一条の実大実験は、東京大学をはじめとする大学や研究機関と連携して行ってきたことも特徴です。住宅業界においても貴重かつ豊富なデータを産学協同で検証することが、確かな安心の裏付けでもあるのです。
耐震実験において、ガル(加速度)やカイン(速度)といった数値は地震の大きさを示す目安になります。これはどちらも「地面の動き」を示す数値です。しかし、過去に起こった地震波を分析し、実際の被害状況と照らし合わせて分かってきたのは、地震波の中にある「周期」と、地震で揺らされる建物の周期の関係が、住宅倒壊と深い関わりがあるということです。
一条はその事実に着目し、建物を倒壊させやすい周期(=キラーパルス)を含むさまざまな地震波を中心に、実験を繰り返し実施。東日本大震災直後には2年間で253回もの加震を実施し、厳しい環境下で建物の強度を確認しています。
低層住宅に大きなダメージを与えるのは周期1秒前後の揺れ「キラーパルス(右図黄色部分)」。東日本大震災の「築館波」よりも、阪神・淡路大震災の「鷹取波」の方が大きく力が加わっていることがわかります。「鷹取波」の方が加速度(ガル)は小さいのに、建物を壊すパワーはなんと100倍も大きいのです。
下記の二つの図は、東日本大震災と阪神・淡路大震災の地震波比較です。二つの地震波を比べると、加速度は東日本大震災の方が約4.5倍も大きいにも関わらず、建物の倒壊率は阪神・淡路大震災の約1/125でした。
地震は、一つ一つ揺れの特性が異なります。そのため、過去に甚大な被害をもたらした地震波、さらにこれから想定される巨大地震波を実物の家に繰り返し与え、あらゆる性質の揺れに耐えうる耐震性能を目指しています。
【阪神・淡路大震災の地震波】
JMA神戸波、JR鷹取波、大阪ガス葺合波
【東日本大震災の地震波】
七郷(宮城)波、K-NET日立波、
K-NET築館波、K-NET水戸波、
JMA古川波、SK-net岡本波、
SK-net成田波
【新潟中越地震の地震波】
JMA川口波
【新潟中越沖地震の地震波】
K-NET柏崎波
【駿河湾の地震の地震波】
JMA御前崎波、JMA島田波
【熊本地震の地震波】
益城町波本震、益城町波余震
【今後想定される地震波】
名古屋三の丸波、
想定南海トラフ地震名古屋波、
想定南海トラフ地震浜松波、
想定上町断層帯地震フラット型、
想定上町断層帯地震パルス型
【設計用入力地震波】
告示波タフト位相、告示波八戸位相
一条は、実際に販売する商品タイプで実験を行っています。2階建て、3階建て、1階がガレージのタイプなど、さまざまな構造の建物で実験を実施。地震に強く、安心であることを実証しています。
一条の実験基準は、倒壊しないことではなく、「地震後も安心して生活が送れる」こと。実験前後の気密測定では、その性能値(C値)の変化がなく、建物の気密性能が維持されていることを立証。太陽光パネルも正常に通電し、外壁タイルの落下もありませんでした。
一条が実大実験に使用する建物は、実際に生活できる間取りであることはもちろん、家具や家電、収納内部まで再現し、生活荷重を考慮した状態で実験しています。さらに外壁や太陽光パネルなども設置した「リアルな建物荷重」にして実験することで、「本当の耐震性能」を確かめることができるのです。